第39回 「雷電シリーズとはなんぞや?」その4(雷電III 前編)
池田@雷電です!!
本日は、「雷電シリーズ」を知らない、若い世代の皆さんのために各雷電シリーズについて紹介記事をまとめる「雷電シリーズとはなんぞや?」その4「雷電III」(前後編2回に分けます)です。
■雷電III 前編■
1994年リリースの「雷電DX」から、様々な理由によりリリースがストップしていた「雷電シリーズ」。「雷電シリーズ」の開発凍結と時を同じくして、国内のゲームセンターも年々、様変わりをし、既に店舗における売上の大部分は、UFOキャッチャーなどのプライズ機やサテライト型通信ゲームがまかない、ビデオゲーム、なかでもシューティングゲームというジャンル自体、過去(ヘビーユーザーだけ)のものになりつつあった・・・・
そんな2004年11月、突如、MOSSサイト上において、正式な雷電の続編「雷電III」が発表されました。
その後12月まで、少しづつ明らかに発表更新された情報は、
●製作は元セイブ開発スタッフが多数在籍しているMOSSである
●スーパーバイザーとしてセイブ開発の浜田社長が参加する
●タイトー社製Type-X基板を採用する(グラフィックは全て3Dポリゴンに書き換え)
●新しい武器が実装される
●フラッシュショットシステムという新たなボーナスフィーチャーが追加される
●発売は年明け2005年、12月下旬に秋葉原の某ゲームセンターでロケテストが実施される
上記でした。発表時、胸高まった方も多かったのではないでしょうか?
■雷電III製作テーマ■
「雷電シリーズ」といえば、90年代に一時代を築いたシューティングゲーム。その続編を作るにあたり製作にはスタッフの相当な苦労と葛藤があったと思われます。「THE FLASH DESIR 雷電III」収録の駒澤社長のインタビュー記事を読めばわかりますが、ノスタルジーというよりも、旧来のファンへのアプローチもしつつ、時代に相応した「2005年度版雷電」をつくるというテーマを掲げて製作されました。とはいえ、タイトルに「雷電」という冠を付ける以上、時代にあわせアレンジするにしても様々な「縛り」が発生してしまいます。
また、「雷電DX」リリース時とは業界の状況が抜本的に異なるゆえ、ゲームというジャンルの経済効果やユーザー数、その他様々な時代性を考慮すると、90~94年当時のスタンスやコストそのままでゲームを製作するのは不可能ですし、ましてや、シューティングゲームジャンルは「マニアック」「ヘビーユーザー向け」「ニッチ市場」という認識が強くなってしまったゆえ「歴史あるシューティングゲーム続編」製作にはプロットの時点で問題難題が山積なわけです。
たとえば、
●旧来の「雷電」ファンへのサービスを含め逸脱しない程度の雷電らしい新要素実装
●1996~1998年の「ライデンファイターズシリーズ」ファンへのサービス並びに不自然ではないアプローチ実装
●若い世代に向けて、近年主流となっていた「弾幕系」シューティングゲームとの差別化と、それに負けない楽しさの実装
ほんの少し考えただけで、開発側には、上記のような簡単に結論が出ない難題が提示されます。
※ここにも、今まさに同様の事例で悩んでいるお方が・・・ →■
現実、不特定多数のユーザー様一人一人の心に美化内包された「雷電の続編のイメージ具現化」は物理的に不可能ですし、
●ビデオゲーム稼動インカムの平均値が「雷電DXリリース当時」とは、まるで違うため製作期間を短くし、できるだけオペレーターへ安価で流通させなければならない。(=じゃないと売れないんです)
といった、ゲームの中身以外に、マスタープランの問題も壁のように立ちはだかります。まず、2004~2005に(今もか)シューティングゲームを開発するには、どのメーカーもこのタスクを一番に優先させなければなりません。よって、「最大公約数を拾いあげる」という無難そうな作業も、「7作品存在するシリーズの何を持ってして最大公約数か?」という洗い出しさえ、正直困難と言わざるを得ません。
下記は開発初期段階に業者向けに作られた「雷電III」のフライヤーです。
ロケテストや発売verでは実装されなかった「かすり」システムの記述があります。その他、一部武器の名前が異なっているのも確認できます(ニュークリア+ホーミングでニューホーミングミサイル!!)。上記からもわかるよう、いかに「雷電III」が限られた時間の中で、試行錯誤を繰り返して開発されたタイトルかが、理解できるわけです。
前編は以上です。次回第5回「雷電III 後編」は、「雷電III」に追加された新たな要素について紹介と検証をしていきたいと思います。
引き続き当ブログをよろしくお願い致します!!
<以下Xbox360 雷電IV 関連リンク>
●INHブログ 3大シューティング祭りレポートまとめ
http://www.inhgroup.com/blog/index.php?itemid=182
●さざなみ壊変 3大シューティング祭りレポート
http://sazanami.net/#20080831
●杏野はるなの日常(9月1日エントリー)
http://blog.livedoor.jp/tokyozukananno/archives/51060692.html
●ゲームショップ1983 雷電IV 販促協力募集 記事
http://sp-game.cocolog-nifty.com/38/2008/08/34_d2ab.html
●9月7日(日)bar 16SHOTS 2nd anniversary party
TOKYO GAME UNIVERSITY『東京ゲー大』
http://blog.goo.ne.jp/16shots/
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